「  想(The simple heart) 
16×16×16cm


「 天の星、地の翠 」
16×16×16cm


「 翠嵐抱幽石 (すいらんゆうせきをいだく)
17×17×17cm


この作品は、本来別の作品を出す予定だったのですが
そちらが上手くいかなかったので、急遽、作成したもの
です。締切まで時間がなかったため、ミクロソラムと青龍
石、枝流木3本を使用しました。

底床は、下草の生長を待つ時間的余裕がないため
リオネグロサンドとし、何も植えずに前面に広い空間を
設けました。その後ろに青龍石と流木を組合わせ、
ミクロソラムを配置しました。

流木、青龍石、ミクロソラム、リオネグロサンドでは
やや色調がモノトーンっぽくなるため、前面に緑の
引立て役として、補色関係にある赤のタイガーロータス
を置きました。

題名の「 想(おもい:The simple heart) 」は
禅でいうところの「無心」、執着のない心、心の最も
根本の姿、というイメージでつけました。

この作品は、前回コンテストに出品したリオネグロの
第2弾として考えました。

今回は、リオネグロサンドを使用し、明るい水景として
誰も知らないカージナルテトラの楽園をイメージしました。

この作品では「遠近感」に注意してレイアウトを作りました。
後ろから前へ南米ウィローモスを活着させた流木を置き、
前面に葉の大きなアマゾンハイグロを、後面に葉の細かい
エロディアを植えて、両者の葉の大きさの対比で遠近感を
出したつもりです。
カージナルは水槽の横を「トントン」と指でつつくと反対方向
へ泳ぐので、そこを狙って動きが感じられるように撮影しま
した。

題名の「 天の星、地の翠 」は、バックの青を夜空に
見立てると、気泡が星のように見えることから、このように
つけてみました。

この作品は、小ぶりの八海石を何個か使用して作られて
います。正面向かって右奥に、八海石を土留めに利用して
アクアソイルを盛土してあります。

水を入れると土留めをしていても、アクアソイルが崩れて
きて、盛土の高さを保つのに苦労しました。維持中に
何回か土を足しています。

この作品でも「遠近感」を出すため、構想段階では後部
盛土部分に植栽したミニノチドメの葉の小ささと、前面に
植栽したミニマッシュルームの葉の大きさの対比を狙い
としたのですが、なかなか上手く表現ができませんでした。

また、プチナナも石の間に配置しているのですが、いま
ひとつ活かしきれていないというか、狙いが不明瞭に
なってしまったような気がします。

題名の「 翠嵐抱幽石 」は、中国の詩人寒山の詩の一行
「白雲抱幽石」をヒントにして、翠嵐(青々とした山の気配
=ミニノチドメ)が八海石を抱き込んでいる様子を表して
います。